固定資産税の支払い時期と方法
固定資産税の支払いは、年4回に分割して支払うこともできますし、一括で支払うこともできます。
毎年4月頃には固定資産税納税通知書が送付され、この通知書には分割払い用と一括払い用の支払い用紙が入っています。
自分の支払い方法に応じて、選択した用紙を使って納付を行います。
ただし、支払い期限には注意が必要で、一部の支払い方法では期限が過ぎた納付書では固定資産税を支払うことができません。
支払い時期と方法を間違えずに選択して、きちんと納税しましょう。
固定資産税の計算方法と減税措置の確認方法
固定資産税は、土地と建物の評価額に税率をかけた額で計算されます。
この計算方法は、自治体が定めた固定資産税課税標準額という指標を使用します。
固定資産税課税標準額は、固定資産税額を算出するための基準となる金額です。
計算するためには、まず固定資産税評価額に固定資産税減税措置の減額割合を掛けて、固定資産税課税標準額を算出します。
もし減税措置が適用されない場合は、固定資産税評価額がそのまま固定資産税課税標準額になります。
具体的な計算方法をシミュレーションしてみましょう。
以下の条件で土地と建物の固定資産税を計算します。
シミュレーション条件
土地の固定資産評価額:3,000万円
土地の減税措置割合:1/3(評価額の1/3が課税標準額となります)
建物の固定資産評価額:1,500万円
建物の減税措置:なし 税率:1.4%
土地の固定資産税計算
1. 土地評価額:3,000万円 × 1/3 = 1,000万円(固定資産税課税標準額)
2. 固定資産税額:1,000万円 × 1.4% = 14万円
建物の固定資産税計算
1. 建物評価額:1,500万円(固定資産税課税標準額)
2. 固定資産税額:1,500万円 × 1.4% = 21万円
以上から、このシミュレーション例における固定資産税額は、土地の税額14万円と建物の税額21万円の合計で35万円です。
ただし、固定資産税の軽減措置について詳細を把握していないと、自分で計算するのは難しいかもしれません。
減税措置の内容を知りたい場合は、固定資産税納税通知書を確認しましょう。
通知書には、減税措置が適用されている場合やどのような条件で適用されているかが記載されています。
自分で正確に計算したい場合には、通知書を参考にすることをおすすめします。
固定資産税の減税措置
固定資産税納税通知書には、固定資産税額と固定資産税課税標準額が記載されています。
固定資産税には、建物と土地の両方に対して減税措置があります。
この章では、建物と土地の固定資産税減税について詳しく説明します。
なお、建物の固定資産税減税を受けるには、自治体への申請が必要ですが、土地の固定資産税減税は特に申請は不要であり、自動的に減税された金額で請求されます。
建物の固定資産税減税措置
新築住宅を建築した場合、建物の固定資産税減税措置を受けることができます。
建物の固定資産税減税は、床面積が120㎡までの範囲で適用されます。
床面積が120㎡を超える場合、減税額は次の式を用いて計算されます。
固定資産税減税額 = 固定資産税額 × 居住用部分の床面積(120㎡を上限)÷ 建物の総床面積 ÷ 2 例えば、床面積が150㎡の新築住宅の場合、固定資産税額が20万円とします。
計算してみると、 20万円 × 120㎡ ÷ 150㎡ ÷ 2 = 8万円(建物の固定資産税減税額) つまり、この場合、建物の固定資産税額は20万円 – 8万円 = 12万円となります。
ただし、建物の減税措置は2024年3月31日までに建築された住宅にのみ適用されることに注意してください。
土地の固定資産税減税措置
住宅が建っている敷地では、土地の固定資産税減税措置を受けることができます。
土地の固定資産税減税には期限はありませんが、敷地面積によって減税割合が異なることに注意が必要です。
では、敷地面積が200㎡を超える場合の固定資産税の課税額を計算してみましょう。
敷地面積が200㎡を超える場合、固定資産税の課税額は次のように計算されます。
固定資産税の計算方法と減税措置について
固定資産税は、所有している固定資産や償却資産に年に一度課税される税金です。
具体的には、土地や建物などの資産の所有者に対して課税されます。
土地の固定資産税額を計算するためには、まず「1㎡あたりの固定資産税額」を求めます。
これは、「固定資産税額」を「敷地面積固定資産課税標準額」で割ることで求めることができます。
次に、求めた「1㎡あたりの固定資産税額」を使用して、具体的な敷地面積に応じた固定資産税額を計算します。
敷地面積が200㎡以下の場合は、「1㎡あたりの固定資産税額 × 200㎡ ÷ 6」となります。
敷地面積が200㎡を超える場合は、「1㎡あたりの固定資産税額 ×(敷地の総面積 – 200㎡)÷ 3」となります。
このようにして計算した固定資産税額を、「固定資産税課税標準額」と呼ばれる基準額に掛けて、固定資産税額を求めます。
具体的な計算式は、固定資産税課税標準額 × 1.4%です。
例えば、敷地面積が300㎡で固定資産税評価額が3,000万円の場合、まず「1㎡あたりの固定資産税額」を計算します。
固定資産税評価額3,000万円を敷地面積300㎡で割ると、「1㎡あたりの固定資産税額」が10万円となります。
次に、この「1㎡あたりの固定資産税額」を使用して、具体的な固定資産税額を計算します。
敷地面積が300㎡なので、「1㎡あたりの固定資産税額 × 200㎡ ÷ 6 + 1㎡あたりの固定資産税額 ×(300㎡ – 200㎡)÷ 3」を計算すると、約666万円が出てきます。
最後に、この求めた固定資産税額に1.4%を掛けることで、最終的な固定資産税額を求めることができます。
このような例で計算した場合、土地の固定資産税は約9.3万円となります。
まとめ
固定資産税は毎年課税されるため、正確な知識を持って支払うことが重要です。
また、土地上の建物を取り壊した場合にどれくらい固定資産税が増えるかを事前に計算しておくことで、予め把握しておくことができます。
また、土地の固定資産税については、特別な手続きをすることなく減税措置が適用される場合もあります。
その場合、減税された税額に応じた納税通知書が届くため、自身で計算して確認し、適切に納税することが重要です。
以上、固定資産税の計算方法と減税措置について説明しました。